防災管理制度と自衛消防組織

防災管理等の制度の概要 (平成21年6月1日施行)

東日本大震災が発生し、また、東海地震、東南海・南海地震や首都直下地震の発生の切迫性が指摘されている中、事業所における消防防災体制を強化し、自衛消防力を確保することが喫緊の課題となっています。
事業所における大規模地震発生時等の応急対策は、自主的取り組みに委ねられている状況であったため、地震、化学物質、放射性物質などに起因する災害にも備えることを想定し、防災管理者制度と自衛消防組織の設置義務化が行われ、あわせて防災管理点検制度が定められました。(消防法第36条、消防法第8条の2の2関係

防災管理と自衛消防組織の画像その1
防災点検基準に適合している表示

防災管理と自衛消防組織の画像その2
防火・防災点検基準に適合している表示


 

※「防火・防災基準に適合している表示」は、防火び防災管理点検制度の両方の点検基準を満たさないと表示できません。

 

防災管理が必要な建築物等

左欄の対象用途で、右欄のアからウのいずれかに該当する場合、防災管理制度の対象となります。

対象用途
 
規模
劇場・集会所等
1項
風俗営業店舗等
2項

ア 階数が11以上のもので

飲食店等
3項
百貨店等
4項

延べ面積1万平方メートル以上

ホテル等
5項イ
病院・福祉施設
6項
学校等
7項
図書館・博物館
8項

イ 階数が5以上10以下のもの

公衆浴場等
9項
車両の停車場等
10項

延べ面積2万平方メートル以上

神社・寺院等
11項
工場等
12項イ
駐車場等
13項イ
その他の事業所
15項

ウ 階数が4以下のもの

文化財(建築物)
17項
 

延べ面積5万平方メートル以上

 詳細はこちら ・・・>防災管理と自衛消防組織の画像その3

 

防災管理点検と点検済表示

1年ごとの点検と報告

1年に1回、資格者による防災管理状況の点検を実施し、消防署長に報告します。防火対象物定期点検が必要な事業所は、併せて点検し報告する必要があります。

 

資格者による点検

点検は、防災管理に関し専門的知識を有する「防災管理点検資格者」に行わせなければなりません。

 

防災管理点検特例認定 防火・防災管理点検特例認定

一定の基準に適合し防災管理に関する特例認定を受けた優良事業所は、防災管理点検定期点検報告を3年間免除され、防災優良認定証を掲示することができます。(消防法第36条、消防法第8条の2の3関

 

防災管理と自衛消防組織の画像その4

防災点検の特例を受けている
優良認定証

防災管理と自衛消防組織の画像その5

防火・防災点検の特例を受けている
優良認定証


  • 管理が分かれている場合、防火対象物すべての部分で特例の認定を受けないと優良認定証を掲示することができません。
  • 防火・防災点検の優良認定証は、防火及び防災管理点検制度の両方の特例認定を受けないと表示できません。

特例認定を受ける要件(抜粋)

  • 管理を開始した時から3年が経過していること。
  • 過去3年以内において、以下の命令を受けたことがないこと。
  • 過去3年以内において、防災管理の特例認定取り消しを受けていないこと。
  • 過去3年以内において、防災管理点検の未実施未報告・基準不適合がないこと。
  •  検査の結果、特例認定の基準に適合していること。

防災管理者の資格要件

防災管理者の資格要件

防災管理上必要な業務が遂行できる管理的又は監督的な地位にあり、必要な知識を有する者で防災管理講習の課程を修了した者など

自衛消防組織の設置

防災管理が必要な建築物等には、自衛消防組織の設置が必要です。

自衛消防組織の隊長(統括管理者)は、自衛消防業務講習を修了した者をあてる必要があります。

防災管理と自衛消防組織の画像その6

  詳細はこちら ・・・>防災管理と自衛消防組織の画像その7

 

必要な届出

  • 防災管理者を選任(解任)したとき ・・・> 防災管理者選任(解任)届出書
  • 防災管理に関する消防計画を作(変更)したとき ・・・> 消防計画作成(変更)届出書
  • 複合ビル等で防災管理に関する協議事項をさだめたとき ・・・> 共同防災管理協議事項作成届
  • 自衛消防組織を設置したとき ・・・> 自衛消防組織設置届